むかし昔のことじゃ。
犬神は憑きものの一種で、犬神自体はイタチぐらいの大きさで、おなごに憑き代々おなごを通して伝わるといわれておった。
家のもんには見えるが、他人には見えんそうじゃ。
この犬神を憎い人にとりつかせると、体力が落ちて病気になると恐れられておったそうな。
犬神は医者には直せんので、祈祷師に犬神を落としてもらわなならんのじゃそうな。
この犬神に霊験あらたかな神社として有名なのが、山城の賢見神社じゃそうな。
犬神退治の神様として阿波の国以外にも広く知られておったそうじゃ。
大晦日の夜、人糞を犬神筋の家の屋根にかけると、犬神が憑かないといわれておったそうじゃ。
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