空海、故伊予親王追善供養の願文を草する 桓武天皇の皇子伊予親王は、大同2(807)年に母藤原吉子と共に大和飛鳥の川原寺(弘福寺)に謂れのない謀反の首謀者に仕立てられて幽閉され、毒を仰いで死んでしまいました。 伊予親王は嵯峨天皇の異母弟であり、空海の叔父の阿刀大足は伊予親王の家庭教師でもありました。 この非命に倒れた二人の幽魂を弔うための法会を営んだ時、空海は願文を草しました。