胎蔵界灌頂
灌頂とは、文字どおり、水を頭の頂(いただき)に灌ぐ(そそぐ)ことです。
もともとはインドの王様が即位する際の最も重要な儀式ですが、密教でもこの灌頂という儀式が取り入れられていました。
灌頂にもいろいろな種類の灌頂があるそうです。
信徒に対して結縁(けちえん)のために行う比較的軽い結縁灌頂もありますが、もっとも重要な灌頂は、法を譲り与える時に行う灌頂です。
空海は、この法を譲り受ける儀式としての灌頂を6月から8月までの短期間に3度行っています。
6月に行った最初の灌頂は、大日経系の胎蔵界の灌頂でした。
灌頂の詳しい内容はいっさい秘密のため、空海が恵果から受けた灌頂が具体的にどのようなものであったかは残念ながらわかりません。
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