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大宰府での空海

日本に帰国した空海は、外国客の宿泊施設でもあり使節団の宿泊所でもある大宰府の鴻臚館に入りました。

当時の帰国の手続は、まず、使節団一行が無事帰国したことを都へ知らせ、朝廷から発行された沙汰書をもらい、それを持って都へ向かうことになっていました。

手続が終わって、高階真人遠成の一行は10月に京へ向かいましたが、空海は約1年間大宰府の観世音寺に留まっています。
20年の留学期間を2年で切り上げ無断帰国したことは重罪に値するため、ペナルティーとして入京が認められなかったといわれています。

大宰府の観世音寺に足止めされていた期間の空海の行動は、資料が無いため謎とされています。

現在の博多に東長密寺という伽藍を建立したという伝説や、九州から山陽道にかけて神々の社を巡礼していたなど多くの伝説が残っています。

この時期の空海について、唯一確実性の高い行動として「性霊集」には、大宰府の官職の亡母のために真言密教に法って法要を営んだことが記載されています。



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