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狸の妙薬  愛媛県松山市・松山城下町

昔むかし、伊予松山城下に水谷という大きな屋敷があった。
その屋敷の庭に一本の大きな榎があって、昔から古狸が一匹棲みついていたそうじゃ。

この古狸がたいそういたずら者で、水谷家はもちろんのことそこら中の屋敷に忍び込んではわるさをしておった。

ある晩のこと、たいそう気の強いことで有名な水谷家の奥さんが便所に用を足しに行った。
すると、毛むくじゃらの手がするりと尻をなでる。
奥さんは吃驚して思わず飛び上がりそうになったが、気の強い奥さんは「さては、これが噂の狸じゃの」と思い、今度は待ち構えて、にゅ〜と出てきた毛むくじゃらの手を、ぐいっとつかむと、力いっぱいひっぱり上げたそうじゃ。

奥さんに捕まった古狸は、「勘弁して下さい。もうわるさはしませんから。許してくれたら打ち身の妙薬の作り方をお教えします」と涙を流して謝ったそうな。

許してもらった古狸は、打ち身の妙薬の作り方を奥さんに教えると、頭を下げて帰っていったそうじゃ。

奥さんは、さっそく狸に教わったとおり薬をつくったのじゃが、これがまあ、効くわ効くわ、打ち身には驚くほど効果があったそうな。
おかげで、水谷の家は大繁盛!
薬もいつしか「水谷の打ち身薬」といわれるようになって、松山城下町でもたいそう有名になったということじゃ。



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