昔むかし、桃太郎の姉である百襲姫が、宮居の地を定めようとこの地を訪れた時のことじゃ。
ある夏の暑い盛りの頃、百襲姫が一休みしようとして与水の西村の保田の池で疲れた足を水に入れて冷やしておったそうな。
ところが、なまずが出てきて百襲姫の足を噛んだので、百襲姫はびっくりしてなまずを足で蹴ったところ、そのはずみで堤が切れ、水が流れ出し土砂がたまってひとつの山ができたそうじゃ。
それが今の流岡じゃそうな。
足を噛んだなまずは、百襲姫の怒りにふれて、それ以来この地に住めなくなってしまったそうじゃ。
今でも水主神社になまずの絵馬をあげるのは、なまず(一種の皮膚病)にかからぬためのおまじないと言われておる。
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