追われるようにして福州へ
空海が乗っていた第1船は、8月10日、当時の地名で「福州長渓県赤岸鎮己南ノ海口」(現在の福州市から北へ約250キロに位置する海岸)へようやく辿りつきました。
漂着した浜には現在、空海漂着記念碑と東屋があるだけだそうですが、ここにも毎年多くの信者の方がお参りに来られているそうです。
やっとの思いで唐に辿り着いたものの、あまりにも僻地のため赤岸鎮の役人には上陸の申請もできず、その後、渓県の役所まで行き、県令の胡延泝に面会するもここでも「対処できない。福州の役所へ行ってくれ」と言われ、空海をのせた第一船は、この後赤岸鎮から追われるようにして海路で福州の観察処置使閻済美(えん・せいび)のところへ向かうことになります。
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