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即身成仏

真の救済は来世にあり仏になるためには途方もない長い時間がかかるとするこれまでの仏教の「三劫成仏」に対して、空海は人間は生きながらにして仏になることができ、誰もがすぐにでも成仏できるとする「即身成仏」を打ち出しました。
この「即身成仏」について書かれたのが「即身成仏仏義」です。

冒頭に八句の詩句があり、前半の四句が宇宙と己とのつながりである「即身」について説明されています。
後半の四句は悟りに至るまでの過程である「成仏」について書かれているとされています。

宇宙を構成しているのは6つの要素(地・水・火・風・空・識)で、それを現すのが4つの曼荼羅で、3つの行動(三密)によって、これら全てを包含する大日如来とひとつになれる、というものです。
つまり、目に見えない6つの要素「六大(地大・水大・火大・風大・空大・識大)」は、4つの曼荼羅(四曼)によって現され、曼荼羅は仏像や法具や梵字等によって目に見える形で表現されている、という訳です。
宇宙=大日如来と一体化するための修行方法が「三密(身密・口密・意密)」といわれる行動にあたります。

空海は、「即身成仏」に至るには、理論の把握と行動の実践が必要であると説いたのです。



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