入唐のためにあわただしく得度
「続日本後記」によると、空海はこの年に東大寺で得度したと記されています。
当時の国家は僧になる得度を国家免許としていて、試験は政府担当者と僧綱所の役人が担当し、教義についての難問の他に、経典を暗誦させたり、シナ音の発音が正確かどうか等の課目もあり、ほんの少数の者しか合格させなかったそうです。
空海の場合は、官僧になりたいという目標のために、得度したのではなく、入唐するための手段として得度した感もあり、このあたりの感覚は当時においてはかなり異質の彼独特のものであるように思われます。
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