ウェブサイト空海〜


空海年表
空海とうどん
四国霊場八十八ヶ所
四国八十八ヶ所人巡り
四国昔話八十八ヶ所巡り
太三郎狸
中国福建省開元寺御守
お接待(プレゼント)
お便り募集


四国昔話八十八ヶ所巡り
藤吉と狸  愛媛県西宇和郡・三崎町

昔むかし、藤吉という猟師がおったそうな。

ある日のこと、山へ猟に出かけた藤吉は、狸の穴を見つけたそうじゃ。
一匹獲れば一日飯が食える、二匹獲れば二日飯が食える・・・と喜んだそうじゃ。

ところが、いくら掘っても狸どころか何にもみつからなんだ。
狸はいないのかと諦めかけた時、突然穴の中から立派なお侍が出てきたそうな。
「藤吉、無礼であるぞ、頭を下げよ」
と言うたもんじゃから、藤吉はたまげて、
「へへぇ−っ」
と、頭を下げたんじゃと。

次から次へと穴からお侍が出てきて、藤吉はその度に頭を下げたそうな。
その数は全部で七人じゃったそうな。

ここで、藤吉気がついた。
こんな穴の中からお侍さんが出てくるのは、どう考えてもおかしい。
ふと、我に返ってお侍の後を追うと、頭の上に葉っぱを乗せた七匹の狸が走って逃げておったそうじゃ。

藤吉は、「七日分の飯に逃げられた!」と悔しがったそうじゃが、後の祭りじゃったと。



Copyright (C) 2006-2008 空海 All Rights Reserved