昔、甲山城に天下無双の強力で有名な朝比奈弥太郎という男がいました。
この朝比奈弥太郎は豪族香川氏の家臣でした。
ある時、土佐の長宗我部軍がこの地を攻めてきました。
朝比奈弥太郎は勇敢に戦いましたが、何百本もの矢を体に受け、立ったままで討ち死にしてしまいました。
後になって、朝比奈弥太郎が討ち死にした土地を、村の人が池にして弥太郎池とよんでいました。
ところが、村の人がその池に落ちて死ぬことが多く、「これは、弥太郎のたたりだ」ということになり、池のほとりに朝比奈弥太郎の墓を新しく築いたところ、池に落ちて亡くなる人は減ったという。
また、朝比奈弥太郎の強力にあやかり、60年ぐらい前までは村の若衆が石をかついでこの墓まで行き、力が強くなることを祈っていたそうです。
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