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四国昔話八十八ヶ所巡り
お春  高知県南国市・篠原

昔むかし、渋谷権右衛門という郷士の家に、お春という娘が女中奉公をしておったそうな。
お春は、器量も気立てもよい優しい娘で働き者じゃったので、一家のもんから可愛がられておったそうじゃ。

この家の主人の弟に藤四郎という若者がおった。
藤四郎は、すっかりお春が気に入ってしもうて、言い寄ったのじゃが、お春には、婚約者がおった。

ある日のこと、お春は渋谷家に伝わる家宝の皿を洗うておった。
お春が途中で別の用事を思い出し、いなくなったそのすきに藤四郎が家宝の皿を一枚だけどっかへ隠してしもうたそうじゃ。

お春はひどく驚いたが、どうしようもない。
これを聞いた主人の渋谷権右衛門は、激怒してお春をセッカンし、むごいことにとうとう殺してしもうたそうな。

それから、毎晩どこからとも無く、若い女が「一枚、二枚、三枚・・・」と皿を数える声が聞こえてくるようになったそうな。

藤四郎は高い熱を出して、苦しみ、気が狂って、お春の殺された場所でもだえ死んだそうじゃ。
その場所では、朝になると、お春の血染めの足型がついておって、ふいてもふいてもまたついておったそうじゃ。

とうとう主人の権右衛門も恐ろしくなって、屋敷の西の方に祠を建ててお春の霊をまつったそうじゃ。

これが今に残る「春喜(はるき)さま」じゃと。



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