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四国昔話八十八ヶ所巡り
新八狸  徳島県徳島市・佐古 庚申山

昔むかし、南佐古あたりに新八という古狸が住んでおったそうな。
狸の世界ではちょっとしたキレ者として有名で、金長狸合戦のときには金長狸の片腕として活躍した狸じゃった。

ところが、佐古へ戻ってきた新八狸は、土地の者を化かしたり、いたずらするようになり、土地の者は困っておったそうじゃ。
それを聞いた北島という鉄砲名人が、わしが退治してやろうということになったそうな。

北島は、毎日、鉄砲を持って新八狸を探し回っておったが、なかなか新八狸には会わなんだ。

そうこうしているうちに、新八狸のいたずらはますますひどくなって、火の玉に化けて、通りかかった人の足元にまとわりつくようになった。
その為に、驚いてこけて、けがする者も出てきたそうな。

それからしばらくすると、新八狸は毎日小姓に化けて、北島のそばへやって来るようになったそうな。
ある日、正体を見破った北島が新八狸に刀で切りかかると、新八狸はあわてて近くの薮の中へ逃げこんでしもうた。

それからしばらくしたある晩、北島が鉄砲を持って薮の中の新八狸めがけて鉄砲を撃った。
見事、新八狸に命中したと思ったが、竹に当たってはね返ってしもうた。
北島は新八狸にだまされて影を撃ったことに気がついて、あきらめて家へ戻るふりをしたそうじゃ。

新八狸は北島が帰るのを見て、後ろからつけることにした。
北島はそのことに気づいておったので、歩きながら後ろ向きに鉄砲を撃ったそうじゃ。
鉄砲玉は油断していた新八狸に命中して、新八狸は死んでしもうたそうじゃ。

北島は新八狸がかわいそうになって、庚申山へ祠を建てて祀ってやったそうな。
それ以来、新八狸は「庚申の新八」と人々に呼ばれるようになったそうじゃ。



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